
中東ヨルダンの最南端、紅海(アカバ湾)に面した港町アカバ。年間を通じて20m〜50mという抜群の透明度を誇るこの海は、世界中のダイバーを魅了する隠れたダイビングの聖地です。数あるダイビングスポットの中でも、独特の地形と生態系を楽しめるのが「New Canyon(ニュー・キャニオン)」と「Blue Coral(ブルー・コーラル)」です。本記事では、砂地に沈む軍用車両の非日常感と、美しいアオサンゴの群生が広がるこれら2つのポイントの魅力、そして日本人ダイバーが現地で失敗しないための実用的な注意点を徹底的に解説します。
アカバの海をもっと知るなら
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ヨルダン・アカバの海へ!紅海ダイビング完全ガイド
理由:アカバ・マリンパークの全体像や、その他の主要ダイビングスポット(Cedar Prideなど)を網羅的に把握できます。
1. アカバの隠れた名スポット「New Canyon」と「Blue Coral」とは?
アカバのダイビングの最大の特徴は、ボートを使わずに海岸から直接エントリーできる「ビーチエントリー」が主流であることです。重い機材を背負って波打ち際を歩く労力はありますが、船酔いの心配がなく、自分のペースで潜降できるため、ブランクダイバーや初心者にも優しい環境が整っています。今回紹介する「New Canyon」と「Blue Coral」も、海岸線を少し歩いてエントリーするスタイルのポイントです。
2つのポイントの基本情報比較表
まずは、両ポイントの基本的なスペックを比較してみましょう。どちらも水深は10m〜30mと幅広く、初心者から中級者以上までレベルに合わせて潜る深度を調整できるのが利点です。
| ポイント名 | 水深 | エントリー | 主な見どころ・特徴 |
|---|---|---|---|
| New Canyon | 10m – 30m | ビーチ | 砂地の緩やかな斜面に点在する軍用車両。砂漠の海らしい独特の景観。 |
| Blue Coral | 10m – 30m | ビーチ | 美しいアオサンゴ(青珊瑚)が群生する、静かで落ち着いた癒やしのスポット。 |
2. 水中の非日常!New Canyon(ニュー・キャニオン)の全貌

New Canyon(ニュー・キャニオン)は、その名の通り海中にある小さな渓谷のような地形から始まります。サンゴ礁の根を抜けると、視界が開けて真っ白な砂地の緩やかな斜面が深海に向かって続いていきます。アカバの海は透明度が非常に高いため、太陽の光が砂地に反射し、水深20m付近でも驚くほど明るいのが特徴です。
砂地の斜面に点在する軍用車両
このポイントの最大のハイライトは、砂地に意図的に沈められた軍用車両です。アカバには有名な「Underwater Military Museum(水中軍事博物館)」という別ポイントがありますが、New Canyonにも装甲車などが点在しており、サンゴ礁とは異なる無骨な人工物が魚たちの漁礁として機能しています。キャタピラや砲身にソフトコーラルが根付き、小さな魚たちが隠れ家としている光景は、まさに「時が止まった非日常空間」です。ダイナミックな写真を撮りたいフォト派ダイバーにはたまらないロケーションと言えます。
砂を巻き上げない「中性浮力」の重要性
New Canyonを潜る際の最大の注意点は「フィンワーク」です。海底が細かい砂地で覆われているため、着底したりフィンで砂を強く蹴り上げたりしてしまうと、あっあっという間に視界が白濁してしまいます(いわゆる「巻き上げ」)。透明度の高さを活かして軍用車両の全景を撮影するためには、海底から一定の距離を保ちながら進む正確な「中性浮力」のスキルが求められます。ガイドの後ろを泳ぐ際は、巻き上げを起こさないようフラッターキック(バタ足)ではなく、フロッグキック(平泳ぎのような蹴り方)を意識するとスマートです。
3. 癒やしの青珊瑚!Blue Coral(ブルー・コーラル)の魅力

Blue Coral(ブルー・コーラル)は、アカバのダイビングポイントの中でも特にサンゴの健康状態が良く、色彩豊かな景観が広がるエリアです。エントリー直後の浅瀬から様々な種類のハードコーラルやソフトコーラルが群生していますが、少し水深を落としていくと、このポイントの名前の由来となった巨大な「アオサンゴ(青珊瑚)」の群落が現れます。
一面に広がるアオサンゴの群生と魚影
太陽光を浴びて青紫色に輝くアオサンゴの群生は圧巻です。日本の沖縄などでもアオサンゴは見られますが、紅海特有の強烈な日差しと透明度の高さが相まって、より一層鮮やかに発色して見えます。サンゴの周囲には、オレンジ色が鮮やかなアンティアス(ハナダイの仲間)や、紅海固有種のチョウチョウウオなどが乱舞しており、竜宮城のような華やかさがあります。水深15m〜20m付近が最もサンゴの発色が良く、魚影も濃いため、この深度を維持しながらゆっくりとドリフト(流す)するのが一般的なルートです。
静かで落ち着いた環境だからできるマクロ撮影
大型の沈船ポイントなどに比べると派手な目玉はありませんが、その分他のダイバーグループとバッティングすることが少なく、非常に静かで落ち着いた環境が保たれています。ウミウシの仲間や、岩の隙間に隠れる固有種の甲殻類などを探すマクロ派ダイバーにとって、Blue Coralは時間を忘れて没頭できる最高の遊び場です。
4. 日本人ダイバー必見!アカバで潜る際の実用ガイドと注意点

アカバのダイビングは非常に快適ですが、日本の海や東南アジアのリゾートと同じ感覚で臨むと、思わぬストレスを感じることがあります。ここでは、現地で実際に潜ってわかった日本人向けの注意点を詳細に解説します。
水温とウェットスーツの選び方(冬場は冷える!)
ヨルダンは砂漠気候ですが、アカバの海は年間を通じて潜水可能です。しかし、「中東=灼熱」というイメージで薄着で行くと痛い目を見ます。夏の水温は26〜28度と快適ですが、12月〜3月の冬季は水温が20〜22度まで下がります。現地の欧米人ダイバーは3mmのウェットスーツで潜っていることもありますが、寒さに弱い日本人にとって冬場の3mmは地獄です。
冬季に潜る場合は、最低でも「5mmのフルスーツ」に「フードベスト」を重ね着することを強くおすすめします。現地のダイビングショップでレンタルすることも可能ですが、サイズのフィット感や保温性に不安がある方は、インナーだけでも日本から持参すると格段に快適度が変わります。
アカバ・マリンパークは厳格な自然保護区に指定されています。ダイバーがサンゴに触れたり、フィンでサンゴを折ったりする行為は固く禁じられており、悪質な場合はペナルティの対象となります。特にビーチエントリーの際は、以下の点に細心の注意を払ってください。
- 足元の保護: エントリー地点は砂浜だけでなく、ゴツゴツとした岩や死サンゴが転がっている場所もあります。素足でのフルフットフィンは避け、底の厚いマリンシューズ(ブーツ)+ストラップフィンの組み合わせが必須です。
- 着底の禁止: 浅瀬でのフィン装着時や、水中でバランスを崩した際に、無意識にサンゴの上に立ってしまう事故が多発しています。着底して良いのは完全に「砂地」と確認できる場所のみです。
- 英語のブリーフィング: ヨルダンのダイビングショップの共通言語は英語またはアラビア語です。日本人のインストラクターは基本的に常駐していません。潜降のタイミング、残圧のサイン、見られる生物など、ブリーフィングで分からないことがあれば、海に入る前に必ず「ジェスチャー」も交えて確認してください。
安心して潜れる現地のダイビングショップを探す
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理由:現地でのダイビングショップとのやり取りや、ビーチまでの配車アプリ(タクシー)の利用など、快適で安全な滞在には安定した通信環境が不可欠です。
現地での混雑やトラブルを防ぐため、事前のオンライン予約をおすすめします。特に機材レンタルが必要な場合は、自身のサイズを事前に伝えておくとスムーズです。
- Q. New CanyonとBlue Coralは、初心者でも潜れますか?
- A. はい、どちらもビーチエントリーで流れが少なく、水深10m程度の浅いエリアから楽しめるため、初心者やオープンウォーターダイバーでも十分に楽しめます。ただし、中性浮力はしっかりとコントロールできるよう意識してください。
- Q. ビーチの近くにトイレやシャワーはありますか?
- A. アカバ・マリンパーク沿いには、ダイビングショップが提携している施設や公共のシャワー・トイレ(有料の場合あり)が整備されています。ただし、日本の施設ほど清潔ではない場合が多いため、除菌シートなどを持ち歩くことをおすすめします。


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